オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
すりガラスの戸を開けてみると、ジャグジーつきのお風呂場があった。
着替えはないのかな?と探してみると、脱衣所のかごの中に浴衣が2つ入ってる。
あたしはタオルと浴衣を揃えてバスタブにお湯を張りながらナギに言った。
「ねえ、あたしはいいからナギ先に入っていいよ」
ナギは入ってきてからずっと出入り口近くの壁にもたれたまんま、あたしの方を見ようともしない。
あたしがそう言っても、何の反応もなくて。
ムッときたあたしは、バスタオルを持ってナギの頭に被せると、そのまま力任せに頭を拭いた。
「ほら、このまんまじゃ風邪引くよ。お風呂と浴衣用意したから入って」
あたしの言葉は全部出せなかった。
バスタオルの陰になった前髪の隙間から見えたナギの瞳は……
赤かった。
戦いの時みたいに。
あたしがそれに吸い寄せられるように見入った瞬間。
ナギの身体が傾いたんだけれど、あたしがその下に重なるように倒れ込んだと気付いたのは、すこし後だった。
着替えはないのかな?と探してみると、脱衣所のかごの中に浴衣が2つ入ってる。
あたしはタオルと浴衣を揃えてバスタブにお湯を張りながらナギに言った。
「ねえ、あたしはいいからナギ先に入っていいよ」
ナギは入ってきてからずっと出入り口近くの壁にもたれたまんま、あたしの方を見ようともしない。
あたしがそう言っても、何の反応もなくて。
ムッときたあたしは、バスタオルを持ってナギの頭に被せると、そのまま力任せに頭を拭いた。
「ほら、このまんまじゃ風邪引くよ。お風呂と浴衣用意したから入って」
あたしの言葉は全部出せなかった。
バスタオルの陰になった前髪の隙間から見えたナギの瞳は……
赤かった。
戦いの時みたいに。
あたしがそれに吸い寄せられるように見入った瞬間。
ナギの身体が傾いたんだけれど、あたしがその下に重なるように倒れ込んだと気付いたのは、すこし後だった。