オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】










これ、何かの奇跡でしょうか?


使い慣れないキッチンで野菜を刻みながら、あたしは自分がここにいる現実が未だに信じられなかった。




瑛太君をユリに返してお花見が解散した後、ナギはよく説明もせずにあたしを車に乗せて来たのは、よくあるウィークリーマンション。


週単位で借りられる家具付きの賃貸マンションだった。


車は東名高速を飛ばして3時間後に東京インターチェンジってところで降りたから、たぶん今いるのは東京都内だと思う。


産土グループ会社の本社や本部は東京に集中してるから、それでナギはここを借りて一時的に住んでいるんだろうな、位の事情はあたしでも察せる。


なんでナギはあたしをこっちに連れてきたのかわからないけど、マンションに上がって初めにあたしがしたことは、冷蔵庫の中身を確かめること。


やっぱりあたしの想像通りに、冷蔵庫の中味は飲み物や栄養ドリンクやウィダーインゼリーくらいしかない。


夜9時を過ぎてたけど、ナギをつついてスーパーに買い出しに行った。


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