オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
約束の3月31日、その日は朝から抜けるような青空が広がってた。
『太郎おじいちゃん、はじめまして。こんにちは!!』
子ども達は、初めて会うおじいちゃんに、声を揃えて元気よく挨拶した。
あたしがひとりひとり紹介してると、お父さんは鼻を押さえて俯いた。
「よかった、おまえは幸せになれたんだな。私と美子のように、互いを傷つけあう事もなく」
あたしはしんみりしてもらい泣きしそうになったけど。
「細胞分裂するアメーバアタマなコイツといると、とても苦労しますがね」
ナギが相変わらずな毒舌を喰らわしてくれました。
「こんなモノですから、私でないと扱えない。
ですからご安心なさってください。
それに、私はあなたに産土商事に復帰していただきたいと考えています」
お父さんが顔を上げると、ナギはしっかりと頷いた。
「失った時間は取り戻せませんが、これからまた始めればいいでしょう。
人間は、いつだってやり直せる。
私にそれを教えてくれたのが、妻である杏子です」
……え?