KISS OF LIFE
視界が狭くなる。

ボールがピューと下に落ちた。

「おい、大丈夫か?」

その声に顔をあげると、
「か、課長ー!?」

南野課長がいた。

慌てて離れようとすると、
「待て!」

南野課長に腕をつかまれた。

「な、な、何ですか!?」

突然のことにパニックになったあたしに 、
「お前、死ぬつもりか?」
と、南野課長が聞いてきた。

「へっ?」

訳がわからなくて、あたしは足元に視線を向けた。

…絶句した。

だって、だって……あたしの足元には、遠過ぎる地面があった。

豆粒のような人が歩いている。

あたし、南野課長が助けてくれなかったら…。

サーッと音がしたのかと思うくらい、血の気がひいた。

「きゃーっ!」

その瞬間、あたしは意識を失った。
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