KISS OF LIFE
「とは言っても…」

怖い〜!

こう見えて、あたしは怖いものが大嫌いだ。

ホラー小説は好きだけど、夜じゃなくて太陽が出ている昼間に読むのがあたしの中の常識だ。

だって、何にもでないからいいんだもん。

って言うか、早く着替えてさっさと帰るのが先!

なんて思っていたら、
「んっ!」

後ろから誰かに抱きつかれ、口をふさがれた。

躰をよじって、抵抗を試みるも、全く効果がない。

力からしてみて、男らしい。

でも、一体誰?

なんて思っていたら、ズルズルと運ばれるように引きずられ、どこかの部屋に入られた。

って、ここは資料室!?

バタンと、ドアが閉まる。

えっ…あたし、閉じ込められた!?

「やっと会えたね、彩花ちゃん」

聞き覚えのある声に、背中に冷たいものが走る。

まただ…と言うか、この声の持ち主って、
「――森藤、さん…?」
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