KISS OF LIFE
いや、別にバレてもいいのよ?

けどこの小説、フツーにヤバいのよ。

あんなこともあるし、こんなこともあるし、そんなこともあるし…ある意味破廉恥(ハレンチ)。

「ダメなのか?」

「ダメです、本当に」

南野課長の目を見ながら話しながら、あたしは携帯電話をいじった。

ディスプレイが小説から待ち受け画面になる。

大丈夫だ。

その時、電車のアナウンスが下りる駅名を告げた。

「課長、下りますよ」

携帯電話をカバンに入れる。

電車が駅についたとたん、ドアが開いた。

下りて改札口に向かおうとした時、腕をつかまれた。

「えっ、課長?」

グイッと腕を引っ張られ、南野課長の方に躰が傾いた。

「一緒に行く、彩花?」

なめるように、あたしの耳元で南野課長が言った。

一緒に行くって、南野課長と会社に?

じゃなくて、
「呼び捨て、でした?」
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