KISS OF LIFE
「でもあたし、キス…」

そうだよ、キスされたんだよ?

南野課長とまだしてないのに、金田くんとキスをしたんだよ?

「キスなら、俺がもうした」

「えっ…?」

俺がもうした?

それはどう言う意味なの?

あたしがいつ南野課長とキスをしたの?

「昨日…」

呟くように、南野課長が言った。

昨日って…?

あたしは思い出した。

気を失った時に感じた唇に触れた温かさは、
「もしかして、あの時…」

「そう、お前が気を失った時にキスしたんだ。

あまりにも、かわいかったから。

寝てるヤツにキスするなんて最低だと思ったけど、あの時はどうしてもしたかった」

南野課長は顔を真っ赤にさせ、恥ずかしそうに言った。

「…そう、だったの」

妄想と現実がごっちゃになったとか、そんなんじゃなかったんだ。
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