KISS OF LIFE
「ああ、そうだ」

トマトみたいな真っ赤な顔で、南野課長が返事をした。

「お前が無防備過ぎるんだよ」

南野課長が言った。

…あたしが、無防備過ぎ?

「よくわからない…」

「そう言う天然なところとか、いろいろ無防備なんだよ」

「課長、ヤキモチですか?」

あたしの質問に、
「好きなヤツにヤキモチを焼かない男が、一体どこにいるんだよ」
と、言った。

「えっ、課長の好きな人って…?」

「だから…何回も言わせるな」

クシャと、南野課長に頭をなでられた。

「金田にも、東雲主任にも…お前が近づく男に、みんなヤキモチを焼いてるんだよ」

あたしの頭をなでながら、真っ赤な顔で南野課長が言った。

「お前はお前で、いろいろ自覚ないみたいだし」

南野課長の目に、あたしが映った。

「彩花は、俺の彼女なんだろ?」

せつなさそうに、南野課長が聞いてきた。
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