KISS OF LIFE
オカマ以外でそんな笑い方する人を初めて見た。

「それよりも、早く届けに行ったら?

そろそろ始まると思うから」

「えっ?

…わあ、すみません!

お大事に!」

あたしは飛び出した。


「間にあうかな〜」

あたしは廊下を走りながら急いでいた。

大事なプレゼンなんだよね?

あたしのせいで間にあわなかったら…。

なんて悪い妄想が、グルグルと頭の中をグルグルと回っていたその時だった。

「わあっ!」

「きゃっ!」

誰かとぶつかり、しりもちをついた。

バサッと、書類が足元に散らばる。

「あ、いけない!」

大事な書類が…!

あたしは慌てて拾った。

「手伝います!」

「ありがとう」

えっ?

拾う手を止める。

あたし今、誰と会話をしてたの?
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