KISS OF LIFE
「よく知ってるわね」

「大学の女友達が話題にしてましたから、だいたい」

「それでもすごいと思うよ」

「それで、いつから読み始めたんですか?」

「んー、半年前かな。

雑誌で紹介されていたのを読んだら、おもしろくてハマった」

「へえ、そうなんですか」

「1度ハマるとおもしろいよ。

バカだから、さすがに書くのはダメだけど」

あたしが笑うと、岡本くんもつられて笑った。

「けど、彼氏さんは知ってるんですか?」

「えっ?」

「その…課長さん」

やや言いにくそうに、岡本くんが言った。

あなたの中では危険人物ですもんね、淳平は。

「知らない。

と言うか、まだつきあい始めたばっかで知らないことだらけ」

「えっ、そうなんですか?」

驚いたように言う岡本くんに、あたしは首を縦に振ってうなずいた。

「不安に、なりませんか?」

「何が?」

岡本くんは箸を進めているる手を止めた。
< 90 / 152 >

この作品をシェア

pagetop