同窓会
「誰か来たみたい…」

「やっと幹事のお出ましか?」

木村が呟く。

「私出てくるね」

美加が席を立つ。



「…やっぱり皆、月日が経つと参加しなくなるのかもね…」

菜穂子が少し悲しげな表情で言った。

「確かに…。俺も行くの迷ったよ」

木村君も会話に加わってきた。



ドアの開いた音がし、美加と一人の短髪の背の高い男性が中に入ってきた。

「―?」


「何だよ皆、その顔は。俺の顔忘れたのか?」


「…え?」


「ひっどいなぁ。まぁ、昔に比べてだいぶ痩せたから無理もないか」


「まさか…山口?」


「当たり!」


「嘘…!?だって全然…っ」

「中学から部活始めてさ、みるみる内に痩せていったんだよ」


「人って変わるものね」

山口あきらは小学校時代、給食が大好きなぽっちゃりとした男の子だったが、今目の前に居る彼は昔の面影は無く、さわやかな好青年になっていた。


その後皆、小学生に戻ったみたいに昔話に花を咲かせた。


「何か腹減らないか?」
「そういえば…」

腕時計を見ると
19時を回っていた。


< 8 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop