桜華乱舞 〜蒼き月夜に永遠の誓いを〜



深影は体を私の方に向け、手を広げ私の視界を遮った。


だが、もう遅い。


見てしまったんだ。



血で染まった妖鬼の口とその傍にある原形を留めていない"人"


「チッ、遅かったか」


という狛の声が聞こえる。

あれが・・・本当の妖鬼の姿・・



あまりにも衝撃的過ぎて、言葉が出ない。


でも、私が一番最初に会った妖鬼に比べると、明らかに小さい気がした。



「来るわ。」


音祢がそう言った瞬間、妖鬼はすごい速さで私達の間をすり抜けた。


妖鬼が向かってる先は森の入り口で見張りをしてくれている來



「來!!」


音祢が叫んだのと同時に私は走り出した。


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