キャンディー
逆に他人が知っていたら、それはそれで大変なことになる。




なぜなら、あたしの通う月村高校は男子校だからだ。




女だってバレたら即、退学。


あたしはまたあの生活に戻ってしまう。



まっ、いずれは戻ることになるんだけどね。




自嘲気味に笑いながら、大きく深呼吸をする。




あたし、日南 朔の高校生活がいよいよスタートするんだ。



タイムリミットは分からないが、見つかるのも時間の問題。



だから時間の許す限り、あたしは高校生活を満喫するんだ。




「よっしゃ」




頬を数回叩いて気合いを入れたと共に、校舎の方に足を動かした。




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