ダイスキ熱愛先生!~溺愛教師の不純!?な個人授業~
樋口さんの答えに、親父は深いため息を吐いた。


「樋口、顔をあげろ。詳しく話せ」


親父の命令に樋口さんはゆっくりと顔を上げ、藤堂蘭子との関係を俺たちに話し始めた。




藤堂蘭子との付き合いは3年前から。親父に付いて藤堂商事に出入りしているうちに出会い、お互い惹かれ合ったらしい。順調に付き合いは進み、樋口さんも覚悟を決めていたが、そんな時持ち上がったのが藤堂商事との提携と俺との婚約話。悩んだ末、会社のため、藤堂蘭子のためを思い身を引いたそうだ。



「……私では、蘭子さんを幸せにすることはできません」


全てを話し終えたあと、樋口さんは沈痛な面持ちで俯いた。


「何回言ったら分かるのよ…っ…!幸せかどうかは私が決めることよ…っ!」

樋口さんの最後の呟きに、藤堂蘭子が泣きながら反抗している。


そんな2人に親父たちは口をつぐんで、どうしたものかと困り果てているようだった。


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