ダイスキ熱愛先生!~溺愛教師の不純!?な個人授業~
「結衣、もうこんな時間だ。俺ももう送る気なんてねえぞ」

「そんな…」


俺のしつこさに結衣は困りきっている。

「じゃあタクシー呼んで1人で帰る」とか言われたらかなり焦ってしまうが、意地でも帰したくない。


「何もしねえから。な?」

かたくなに頷かない結衣に苦笑した。

そんなに俺って信用ないのだろうか。実際のところ、何だかんだ言いながら俺が折れて諦めていることがほとんどだ。

結ばれたのだってあの夜の一度だけで、もう約二ヶ月も手を出していない。
……未遂は何度かあったが。
でもこんな紳士な男いねえぞ。


「わ、分かりました…。本当に何もしないなら…」

俺の押しの強さに結衣も渋々といった感じで諦め、不本意そうだったがやっと了承してくれた。





そして今、腕の中には結衣がいる。

直前まで「緊張して眠れない」と結衣はぐずっていたが、いざベッドの中に入ると即効で眠ってしまった。

予想以上に寝つきがいい。少し切ないが、1人で寝るよりも断然心は満たされている。

もっと苦しみ悶えるかと思ったが、手を出さないと決心するとそうでもないらしい。横にいるだけでひどく安心する。

ぴったりと俺に寄り添って眠る結衣の頭を撫でるうち、俺もだんだんと睡魔が襲い始めた。
無防備なその身体を抱き締め直し、ゆっくりと瞼を閉じて眠りについた。


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