屋根ウラの天使

トンズラ!




「ここまで来たら大丈夫だろ」


本田くんと、

学校近くのいつもの公園まで逃げてきた。


「はあ、はあ…。

うん、でも…

良く考えたら、…はあ、

ちゃんと先生に説明すれば、はあ

良かったのかも…」

走るのが苦手な私は

ちょっとここまで走っただけで

肩で息をするくらい、息が上がってしまった。


「『トイレでいじめられたので、

呪いを使ってやり返しました』って説明すんのか?」


運動が得意な本田くんは

平然として

最もな意見を言った。



「う…

違うもん。

呪いなんかできるわけないじゃない!」


(そうだぞっ

天使だぞっ

人の役に立つのが仕事だぞっ

呪いは使えないぞーっ)



「だーかーらっ、

あんたはちょっと、

黙ってなさいって!」


「は?」


しまった!

本田くんにも

もちろん

天使は見えてないんだ…


「藤田…?

お前、ホントにそこに呪いの悪魔かなんかがいるんじゃないだろうな?」


本田くんの疑いの目が

痛いよーっ


「な…何言ってるのっ、本田くん

6年生にもなって、

悪魔とか呪いなんてっ」



(ここにいるぞーっ)と騒ぐ天使は無視して


必死に誤魔化す。




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