指折り★Holiday





あたしを見ずに、
まっすぐ前を向きながら言われた言葉。




「ありがとうございますッ」と、
小さくお礼を言い校舎の陰に隠れながら教室へ急いだ。




光の速さで靴を履き替え、
静かに廊下を猛ダッシュ。



そのままの勢いで階段を駆け上ると、
また廊下をダッシュ。



その廊下は、外で大声で怒ってる
山村先生の声が丸聞こえだった。



二階の窓からそっと下を覗くと、
さっきの場所で崩れた机を指差しながら山村先生が怒ってる。






「こんなに崩してどうすんだ!
これから倉庫にしまおうと思ってたのに、
バラバラだぞ!? 大体百瀬は何で校舎裏にいるんだ!」



「まぁ、意味はないです」



「意味なく通るな!
このままだったら遅刻だぞ!?」



「知らないんすか?
ここって下駄箱まで近道っすよ。ふぁ~・・・」






ぎゃー! ダメだってば! あくびしちゃ!!



鬼の前で大あくびをした男の子に、
勝手に上からひやひやする。




しかも、それ崩したのあたしです!!



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