指折り★Holiday



だんだんと不機嫌な声になる
譲輝くんにびびって、



ポケットに入れっぱなしだった
携帯を、光の速さで渡した。




マッハ1は出たんじゃないか。



ってゆうか、
お金をせびられると思ったあたしって・・・




とんでもない勘違いに、
顔が自然と苦笑いになった。



ごめんなさい譲輝くん。




なんか申し訳なくて、
心の中で譲輝くんに謝っといた。



「はい」


「ぅわあああ!!」



譲輝くんの手から離れた携帯は、
ふわりと宙を舞ってあたしの手元へ。




いきなり投げられたもんだから、
反応しきれず危うく落とす所だった。



今日、最大の溜息が漏れた。





「何? キャッチ出来ないの?」


「えぇ!したじゃん! 今したじゃん!」


「微妙じゃん」




クククッと、
かみ殺した様に笑う譲輝くん。


< 79 / 122 >

この作品をシェア

pagetop