嘘つき②【-臆病-】
彼の車に乗り込んで、あたしはまた彼の横顔を盗み見る。
「…なんですか」
真っ黒な瞳はあたしを僅かに見もせず単調に声を放った。
「申し訳ありませんでしたわ…」
あたしは思わず声を潜ませた。
「連絡くらいして下さい。」
彼はまた溜め息をつく。
あたしはあなたにそんな顔しかさせられない。
「目を離すとこれだから、ほっとけない」
愁哉さんの小さく洩れた言葉が、ただ義務から来るものでも、
『ほっとけない』
それが嬉しい。