嘘つき②【-臆病-】
「は、…はい」
冴木さんは動揺を隠さず強張った顔で息を吐く、それをすぐに吸い込んで眉を潜めた。
「冴木…」
後ろから、愁哉さんの声がする。彼はこの状況をどうやって切り抜けるのかしら。
彼はあたしの存在を見つけて、一瞬だけ眉を上げた。
冷たい瞳。
無機質な表情。
それなのに、彼女を見つめる瞳は穏やかで、
この場に邪魔なのは
きっと私。
さっきまでの期待は消え失せて
鋭い痛みが体を駆け巡って、指先が少し震えた。