天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
永瀬の後ろ姿を見ながら、俺は変な胸騒ぎを覚えた。


永瀬の口から出たあの言葉。



『好き』



過去形だったあの言い方。
だけど、きっと今でも永瀬は…。



なんだよ、この感覚。

納得させるために、俺は無理矢理自分に言い聞かせた。



里緒ちゃんは、ただの後輩。
里緒ちゃんと永瀬の間になにかあったって、俺には関係のないことだ。


呪文のように、何回も何回も繰り返す。



言い聞かせてもムダだったことに、このときの俺は、全然気づいていなかったんだ。


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