天使のいいなり~僕と天使と聖なる夜
手を振りながら歩き出す永瀬。


ちょっと、待てよ。
ヤリ逃げか!?

一言、物申してやる。



俺が喋りだす前に、動き出した小さな物体…。

じゃなかった、里緒だ。


「悠斗先輩ってば、なんてコトすんの!?ヒドイ!!返してよぉー!!」


言いながら、永瀬のところへ駆け寄ろうとする里緒。



返せ…?
って、まさか!!


「ちょっ、たんま!!」


急いで里緒の腕を掴み、永瀬のところへ行かせないよう阻止する俺。


そんな里緒はというと。

俺を見上げて、「なんで止めるのよー!」とでも言わんばかり顔。
怒った顔も、かわいいじゃんか。
ツボに入ったかも。



「里緒さん、落ち着いて。どーやって返してもらうつもりだったんだよ?」

「どーやってって…。モチロン悠斗先輩の口に…。」


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