白いかけら
再び目を開けたとき、あの夢のような世界にいた。
今度は、祝福の天気だった。
私は、走った。走って、どこかへ行かなくてはいけないという、衝動に駆られて。
走った。走った。
ふと、私は足を止めた。その理由はよくわからない。
でも、言わないとと思った。
「さよなら。ラド」
そして私は、また走り出した。
腕が引っ張られた。彼が、私を抱きしめてくれる。
「ラド」
これがきっと、最期だから、愛しい彼の名を呼びほほえんだ。
だけど、悲しくて胸が張りさせそうで、涙が出て来ちゃった。
抱きしめられる前に、私は目を覚ました。
いや、帰って来たの方が正しいのかもしれない。
雪の上に私は、横たわっていた。
見渡すと、見慣れた風景。
後ろには、お兄ちゃんの小さな家。
私とラドが暮らした家。
これが夢じゃないと、私はなぜだか確信があった。
玄関を入ると、床に座って泣いていた。
そんな彼を抱きしめる義務が私にある。
そっと彼を後ろから、抱きしめる。
見つめる彼に、優しく微笑み返す。
「ウィン。お帰り」
ぎゅっと抱きしめられて、私は少し驚いた。
まるで大きな子供みたい。
私も彼を抱きしめ返した。
私は、生きている。
独りじゃなくて、二人で生きていく。
今度は、祝福の天気だった。
私は、走った。走って、どこかへ行かなくてはいけないという、衝動に駆られて。
走った。走った。
ふと、私は足を止めた。その理由はよくわからない。
でも、言わないとと思った。
「さよなら。ラド」
そして私は、また走り出した。
腕が引っ張られた。彼が、私を抱きしめてくれる。
「ラド」
これがきっと、最期だから、愛しい彼の名を呼びほほえんだ。
だけど、悲しくて胸が張りさせそうで、涙が出て来ちゃった。
抱きしめられる前に、私は目を覚ました。
いや、帰って来たの方が正しいのかもしれない。
雪の上に私は、横たわっていた。
見渡すと、見慣れた風景。
後ろには、お兄ちゃんの小さな家。
私とラドが暮らした家。
これが夢じゃないと、私はなぜだか確信があった。
玄関を入ると、床に座って泣いていた。
そんな彼を抱きしめる義務が私にある。
そっと彼を後ろから、抱きしめる。
見つめる彼に、優しく微笑み返す。
「ウィン。お帰り」
ぎゅっと抱きしめられて、私は少し驚いた。
まるで大きな子供みたい。
私も彼を抱きしめ返した。
私は、生きている。
独りじゃなくて、二人で生きていく。