B L A S T
Act.11

もしかしたらあたしはとんでもないことを言ったのかもしれない。

あの時はつい売り言葉に買い言葉で自分を見失っていた。

だから本気じゃなかったのに。

まさか本当にこんな展開になるとは思わなかった。

体育館の舞台を上がると、大勢の男が揃ってこちらに目を向ける。

彼らを囲むおびただしいバイクの光が眩しい。


「ここに集まってもらったのは他でもねえ。みんなに知らせてえことがある」


そう言ってカズは楓の肩を引き寄せた。


「これからこいつがBLASTの総長代理だ」


一瞬の、間。

やがて一斉に笑い声が沸き起こった。


「あれ今日エイプリルフールだっけ」
「つーかドッキリ?」
「あの女誰だよ」
「やっべえセーラー服萌える」
「パンツ見せてくんねえかな」
「ばーか殺されんぞ」
「ちょっとぐらいいいじゃねえか」
「お前知らねえの?」
「最近よくここ出入りしてるよな」
「総長の女?」
「あながち間違ってねえ」
「なんだよソレ」
「総長は総長でもイツキさんの女じゃねえってことだよ」
「なになにどういう意味?」
「"風神"の女」
「は?」
「噂じゃあ藤ヶ谷さんの女だってよ」
「ゲッ!」
「マジで!?」


それまでのざわめきが嘘のように体育館の中が静かになる。

楓は自然と足が震えた。

体中に鋭い視線が突き刺さって痛い。

彼らは楓を睨みつけ、明らかに"風神"に対して敵意をむき出しにしていた。
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