B L A S T
Act.12

「総長!おはようございます」


朝っぱらから、最悪なお出迎えだ。

楓は彼らを睨みつけた。


「おーこわっ」

「目の下クマできてますよー」

「総長。今日はずいぶんと機嫌がよろしくないようで。どうかしましたか?」


にたにたと笑う彼らの顔を見ているだけで吐きそう。

機嫌が悪いのはあんたたちのせいだよ。

あんたたちのせい!

今日も目前の机は落書きのオンパレード。

"族女"だったり"ばか"だったり実に不愉快な言葉ばかり並べている。

こんなことを書いている暇があったらもっと他にすることがあるんじゃないかと同級生として彼らを情けなく思った。

いつか前のあたしならきっと本気で怒っているところだ。

だけど―――。


「どうしたんですか?総長!」
「総長!」
「ねーえ、総長!」


どいつもこいつも総長って……

冗談で言っているとはいえ、

否定できない!
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