愛してる
−NO2−

-to1-



アタシと誠は屋上にいた。



『愛、どした?暗い顔して。』



誠がアタシの顔を覗き込む。







『誠、ガン体質なの?』

『・・・琵月か。』

『うン。聞いちゃったんだ、ゴメン。』




屋上はアタシと誠だけ。



さみしく風が吹いた。






『俺が前好きになった女の子がさ・・・俺ガン体質だって話したら、アタシ看病トカまじだるいし死ぬのに付き合ってらんない、って言われてさ・・それ依頼隠して生きてるんだ。』



アタシは涙が出た。






『ひどい・・・。何でそんな事言うの・・・・・。アタシ、許せないよその人!死ぬって決まった訳じゃないじゃん。好きなら看病とかじゃなくて傍にいたいって思わないの・・・。』






誠はびっくりした顔をしている。





『ゴメン!俺泣かすつもりは・・・。』

『謝んないでよ。アタシが勝手にムカついてるだけだから・・・。』






『愛みたいな人、初めて。』

『え?』

『愛みたいに、俺の事そんな風に大事にしてくれる人。』





誠はアタシを抱きしめた。






『誠、アタシその人みたいに消えたりしない。・・だから傍にいちゃ駄目かな・・?』




誠のアタシを抱きしめる手が強くなった。






・・・・震えてる?






『誠・・?どうしたの・・?』


『愛、ありがとう・・・。本当嬉しいんだよ・・。』


『誠・・・。ずっと傍にいるから、安心してね。』

『うん・・。』






誠、アタシはいくら悲しんでもイイよ。




辛くても、誠の前では我慢する。













だから、

誠はもう我慢しないで・・−。













< 14 / 40 >

この作品をシェア

pagetop