蒼翼記

パンドラの匣

国王クラウド・コーデウスは、森に飛び立つ羽付き達を、騎上から見ていた。


今、彼の中であることの決着が着こうとしている。



彼は、二人目の出産時、産まれ出る我が子によって殺された妻と、異人類種として追い込んできた二人の子を想う。


異人類種でも、妻は必死で我が子を護ろうとしてきた。
"我が子には変わりない"と。



生涯愛し抜くと誓った女性を、殺した我が子。





愛情と、憎悪のジレンマ。
それも、今日で終わる。














「………リン」








やがて、森からは火があがり始めた。





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