蒼翼記
何かを思い立ちライアは顔を輝かせる。

「ねっメイっ」
「『洗礼』の内容なら教えませぬぞ?」
「〜〜〜〜っっ!」
図星を突かれたライアは悔しそうな顔で図星を突いた人面梟の下へ走り寄る。

「ちょっとよっ?ちょっとで良いの。お願い〜っ!」

彼のいる止まり木の下で両手を合わせている。


…―…、……。―…


この会話が聞こえている王の疲れた声がメイスフォールの鼓膜に届いた。

ずっと目下にいるような顔で問い詰められ、自分の口で一度教えれば芋づるのように全てを教えてしまうとわかっていたのだろう。


「メ〜イ〜っ」
「まったく…では一つだけ」

言うなりその顔を花のように輝かせる。
森の者は皆この笑顔に弱いのだ。
無論、この森の賢者と呼ばれるメイスフォールや王であるグラジオラスでさえ例外ではない。


「なかなか元気にやっているようでございますよ。ここに帰りたがっております」

この老いた梟にとっても、やはりこの少女は可愛いのだった。
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