†シークレット・ラブ†

ブンブンと
俯いたまま
首を横に振った…


床には
ポトリポトリと
涙の雫が落ち続けた…

「あたし…あたしは…」

「雨沢さん…

僕は…

貴女のそばにいられたら

それでいいんです…

本当は

遠くから
ずっと
貴女の事を
見守るつもりでいた…


自分の想いを
胸の奥深くに
閉じ込めて


ただ


貴女を遠くから
見ているだけで良かったのに…



泣いている
貴女を見たら


僕の決心が緩んで


貴女に

僕の気持ちを
伝えてしまった…」



「ヒック…ヒック…」


「貴女が苦しみ…
戸惑う事をわかっていながら…

僕は…」



「ヒック…ヒック…」


先生の細く長い指が
あたしの頬に触れ涙を拭った…。






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