†シークレット・ラブ†

ビショビショに濡れた服

こんな日に限って、滅多に履かないスカートが、太ももにまとわり付いて走りにくいけど


早く、どこかで雨宿りがしたくて、小走りで駆け出した。




雨は、容赦なく降り続ける。



ピタッとなった黒のカットソーを隠すように、卵やキャベツが入っているエコバックを両腕で抱きかかえた。



どこかに、どこかに
雨宿りできそうな場所は──…




あった!




喫茶店の屋根の下。

邪魔にならないように雨宿り。



バックからハンカチを取り出して



「お前は、どうしてそんなにドジなんだ?」


と呟く主人の顔を想い浮かべた。




きっと、また呆れるだろうな──…




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