君に伝えたい
「………………俺、先に教室戻ってるわ」
そう言って、夏生はあたしの頭をクシャッと撫でた、
ゆっくり顔を上げると、優しい笑顔の夏生があたしを見つめている。
「………悔しいな~」
「えっ………?」
「………ん、何でもねぇよ…がんばれ」
意味深な言葉を残して、夏生はそのまま裏庭を出てった。
…どうしていきなり出てったんだろ……?
「………………」
「………………」
続く沈黙のなか、あたしの心臓はあり得ないくらいにドキドキしている、