【短編】君を想う
溢れた思い

翌日、昼前に千鶴の家を訪ねた。


出迎えた千鶴は寝起きっぽい。

つーか、寝てないのかも。


目が少し腫れていた。


……泣きながら寝たのか?


「気分転換に出かけるからつき合って」と言うと、「シャワー浴びたい」と返された。


幼なじみとはいえ、シャワーを浴びてる女の家で待つのもなんだから、一旦戻ることにした。

どうせ、女の準備には時間かかるだろうし。


コーヒーを淹れ、テレビをつけて、なんとなくそれを眺めていた時、ふいに泣き腫らしたような千鶴の目を思い出した。


昨日、途切れ途切れに聞こえた、千鶴と智明の声。


お互い素直になって、自分の気持ちを少しでも相手に伝えればいい方向に転がっていくはずなのに。



……そう思っているのは俺だけなのだろうか。



2人がもしつき合いだしたとしたら。

寂しくないと言えば嘘になる。


でもやっぱり、千鶴を笑顔にするのは智明だと思っている。



それはもう、ずっと前から──。



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