粉雪2-sleeping beauty-
何日拘留されたかなんて、覚えてねぇよ。



安西香澄が千里を刺そうとして、隼人さんが身代わりになったらしいな。



“なら、あながち嘘じゃねぇのかもな”


そんな風に思っちまった。


全てが、ありえる話だったから。



だから余計に、お前が心配だった。





お前の携帯なんて知らなかったし、どこに行くのかだって、全然わかんなかった。


だから、マンションに行くしかなかった。



目を疑ったよ。


俺の前で、お前が死のうとしてた。


あれからどんどんやつれてたけど、あの時はそんなの比じゃなかった。



あの時、俺が止めない方が良かったのかもな。


この世界に、お前の幸せは他になかったんだもんな。


一緒に探してやったけど、やっぱり見つからなかった。



でもあの時の俺は、お前に生きてて欲しかったんだ。


“後追いなんて、馬鹿げてる”って。




「アンタ、隼人さんが命懸けで守ったんだろ?!
死ぬなんて、俺が許さねぇ…!」



きっと隼人さんは、お前が来ることを望んでないと思ってた。


だけど、お前は違ったんだよな。


お前自身が、隼人さんのところに行くのを望んでいたんだ。



ごめんな?


俺が邪魔して、本当にごめん…。



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