粉雪2-sleeping beauty-
「…あぁ…。
何か用?」


一応思い出し、煙草を咥えてヤル気なく聞いた。



『…あのっ、先日のお礼がしたくて…。』


「…悪いんだけど俺、女がいるって言わなかったっけ?」


面倒臭くなり、咥え煙草のまま、ベッドに寝転がった。



『…お礼をするだけです…。
それって、彼女さんに悪いことですか…?』


その言葉に、ため息をついて口を開いた。



「…悪いけど、迷惑なんだよ。
アンタが何もしないことが、十分お礼になるから。」


終話ボタンに手を掛けた瞬間、佐和が声を上げた。



『待ってください!!
じゃあ、彼女さんも連れて来てください!!
助けてもらったのに、何もしないなんてこと、出来ません!!』



…昼職の女ってのは、こんなにしつこいんだろうか…?



「…俺、忙しいから。」


それだけ言い、電話を切った。


放り投げた携帯が、ベッドの上に転がる。



―ガチャ…

「…なぁ、千里。
今日、何食う?」


ドアを開け、先ほどまで居たソファーに座り直した。


折角の寝る気分が、あの女の所為で台無しだ。



『わかんな~い。
冷しゃぶでもしよっか?』


相変わらずアイスを食べながら、千里は顔だけこちらに向けた。



「…てゆーかソレ、俺が食うために買ったんだけど。」


『そーだっけ?
良いじゃん、食べちゃったし。』




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