粉雪2-sleeping beauty-
鳴り響く機械的な音は、文字通り、俺達の“終わり”を意味していた。


力が抜けたように足元から崩れ、ただ手が震えた。


もぉ本当に、取り戻すことなんて出来ない。


そんな現実を、ただ受け止め切れなかった。




『おい、マツ!!
しっかりしろよ!!
千里は?何て言ってたんだ?!』


俺の肩を支えるようにして、嵐は捲くし立てた。



「…なぁ、嵐…。
千里探してやれよ…。」


『―――ッ!』


「…頼むから…アイツの傍に居てやって…。」


その瞬間、嵐は覚悟を決めたように走り去った。


これ以上、惨めな姿なんて見せられなかった。


何より、泣いてない千里が心配だった。


泣いてたら、俺は飛び出していたかもしれないのに。


結局、最後に捨てられたのは、俺なんだ。



もぉ、どんなに足掻いたって元には戻れない。



愛してて…


アイツの笑った顔だけを願い続けてて…


傷つけたくなかったのに…



全部、壊したのは俺なんだ…。


苦しむのは、俺だけで良かったはずなのに…。




あの時お前は、どこで何をやっていたんだろう。


何を考え、あの決意をしたんだろう。



歯車は狂い、もぉ止められなかった。


導かれる道は、たったひとつであるように―――…


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