阪本君と田中君
一章 電車
「切符を下さい。」
駅員の窓口で切符を買う男がいた。
「どこまでですか?」
駅員は問した。
「それは言えないな。国家機密だ。」
男は駅員にいった。
「言えないなら、そこの切符の自動販売機で買ってください。」
そういうと駅員は自動販売機にむかって指を指した。
僕は思った。やるな駅員。
「それは困る。」
「なぜですか?」
駅員は疑問に思った。
「なぜなら、僕は自動販売機を使った事がない。」
僕は自慢げに言った。
「ジュースの自販機と一緒ですよ。お金を入れて、切符を買ったらいいんですよ。」
「仕方ない、では買ってきてくれないか。」
僕はお金を出した。万札を。
「だから、どこまでですか。」
「だから言えないと言っているだろう。国家機密だ。」
「そうですか。では、一万円分のチケットを発行しますので、これで好きな場所に行ってください。」
そういうと駅員はチケットを渡した。
「初めから、そうすればいいんだよ。君。」
僕はそういうとチケットを受け取り改札を通った。
僕はだれっだて、ふっ、それは国家機密さ。
「おーい、阪本君。」
手を振りながらこちらにむかってくる男がいた。
「こら、田中、国家機密を軽々しく言うな。」
「ごめらんす、阪本君。」
「田中ーーーーーー。」
田中の顔をビンタした。
「いたらんす。」
田中はぶっ飛んだ。
「ごめんよ。阪本君。」
「まだ言うか。田中ーー。」
もう一度、田中の顔をビンタした。
「OKらんす。もう言わないよ。阪本君。」
「・・・・・・」
僕は無言で往復ビンタした。
「もうしゃべるな。」
「分かったよ。阪本君。」
僕は思った。こいつは天然だ。
とりあえず、僕は電車乗り場に向かった。
「ま、まってよ。阪本くーーん。」
僕はもう諦めた。
まずは時刻表を見た。
「阪本君、普通と急行と特急があるよ。どういう意味なんだろう。」
田中は聞いてきた。僕は、そんなことも知らないのかと呆れたが質問に答えた。
「まず、普通と言うのはな、時刻通りに出発する電車という意味だ。」
「なるほど」
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