運命

運命の悪戯

1時間後、ようやく会社に着いた。

『おはようございます!!』


『おはよう、梅沢。早速だけど入力お願い!!パソコンは立ち上げてあるから』


『分かりました。』

私は眼鏡をかけて、すぐに取り掛かった。見た感じだと5時間もあれば入力出来そうだった。
集中!!そう自分に言い聞かせて入力を始めた。




カチャ

カチャカチャ


私がキーを押している音と、先輩達が押している音が少しずつずれていて、オリジナルメロディーを作っているみたいだった。
なんだか私の横で聡がバンド練習をしているみたいで心強かった。




12時になり、お昼を知らせる鐘が鳴った。


『梅沢、昼だぞ!』

先輩達が私の周りに集まってきた。


『私は大丈夫です。朝食ちゃんと食べてきたんで、このまま入力を続けます』


『そうか?何か欲しいものがあったら買って来るけど‥』


『じゃあ、アイスクリームを。』


『おい!!普通ここは遠慮する所だぞ?』


『そうですか?』


『まぁ今回は仕方ない‥買って来てやる』


『大きいの期待してますよ(笑)』


『梅沢!!』

先輩達は食堂に行ってしまった。



まだ半分か‥
早く終わらせて聡に逢いたい。

私は先輩達がいなくなってからも一人でパソコンに向かった。

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