運命

それぞれの想い

3人で釣りに行ってから、聡の話題を出す人はいなかった。

でも、一週間後は約束した22日。
前回と同じように聡が挨拶に来るだけじゃ何も変わらない。私はそう感じていた。
どうすればいいんだろう?釣りに行けばいいのかな?

私は聡に相談することにした。


『聡〜。もうすぐ4ヶ月記念日だね』


『そうだな。そういえば‥3ヶ月記念の埋め合わせするって言ったきり何処も連れてってなかったな。レストラン予約しようかな?』


『いいって。仕事忙しいんだし。それより聞きたいことあるんだけど』


『何??』


『聡って‥釣りとか‥する?』


『釣り?ん〜‥やったことはあるけど滅多にやらないな。でも急にどうした?釣りしたいのか?』


『お父さんがね‥釣り好きなんだ。お父さんの好きなものを一緒に出来るって、きっと嬉しいと思うんだ。どう?』


『釣りかぁ〜‥考えておく。』


『ごめんね。私も他に案がないかどうか考えてみるね。出来れば聡のかっこいい姿を見せられることでね。』


『俺は何やっても、かっこいいんだよ(笑)なんてな。』


『そうでした(笑)‥明日も仕事頑張ってね。』


『愛もな。あんまり無理するなよ!!』


『ありがとう。じゃあ‥おやすみなさい』


『おやすみ』

電話を切った。



その後もしばらく考えてみた。
お父さんの好きなものじゃなくて、聡の得意な事を見せれば!!
って、それじゃあ何にも意味がないことに気がついた。「お父さんと一緒に」が今回のポイントだった。

そんなことを考えながらベッドに横になっていたら、いつの間にか眠ってしまっていた。
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