妖魔03(R)〜星霜〜
カメリアと別れると、気合を入れて農作業に移る。

今日は玉ねぎの収穫だ。

大体の玉ねぎは茎が倒れているようだ。

ウッドからやり方は聞いていたので、一人で行っていく。

玉ねぎを収穫し、茎を藁で括って吊り干しする。

そうする事で長期保存が可能らしい。

俺は手際よく一生懸命に働き続けた。

「ふう」

昼飯時にティアの家に戻る。

女の人達は民族衣装を作ったり、洗濯したり、お話したりしているらしい。

昼間も職場でいるために、家には帰ってこないのだ。

ティアも残っているのは珍しい話だけどな。

家の中で朝に隠し作っておいた、野菜炒めを食す。

「あー、美味いねえ」

お腹が減っているせいで、食が進む。

「お兄ちゃん!」

窓際には、チェリーが慌てて顔を出している。

「おいおい、どうした?」

俺が傍によってみると、いつも一緒のモンドの姿がないように見える。

「モンドが、大木に登って降りられなくなったんだよ!」

「何だと?」

「いつもならそんな事しないのに、綺麗な実がなってるからって登って、でも、気付いたら降りられなくなっちゃったんだ」

「そうか」

モンドの能力を考えれば、無事に降りる事は可能なんだがな。

気が動転しているのかもしれない。

「しゃあねえ、時間はあるから行ってみるか」

野菜炒めをかきこんで、チェリーに誘われるままに森の中へと入っていく。

そして、チェリーに連れてこられたところは、森が乱雑に立っているわけではなく、隔離されたような狭い空間に大木が一本立っていた。

他の木とは別格の高さを持った大木だ。
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