キラキラ
振り返る。
屋上の入り口に、
いつもの笑顔で私を待つ、彼がいた。
「直…樹…」
夢?
「見つけた。」
一歩ずつ、私に近付いてくる。
「約束、しただろう?」
一歩、また一歩。
「君が一人で立っているなら…」
彼が私の目の前に立つ。
柔らかい声、吸い込まれそうな澄んだ瞳。
「僕は必ず君を見つける、ってね。」
涙が溢れ出す。
声が出ない。何も考えられない。
ここにいるのだ。
彼が、私の前に。
「えらかったね。きちんと、約束、守ったんだね。」
私の頬を両手で包み、涙を拭ってくれる。
「僕も、見つけたよ。約束通り、一人で立っている君を。」
私の頬から手を離して、彼は微笑みながら左手を差し出した。
「雪音」
私が乗せた右手を彼が引き寄せる。
温かい腕の中で、彼の柔らかい声が響く。
いつの間にか辺りは闇に包まれ、星が輝いている。
ふと、メロディーが頭の中を流れた。
――暗い冬の夜空の、
一億の星の中でも
私は
きっとあなたを見つける
あなたが私を
見つけ出してくれたように…
冷たい風が、手を繋いだ私と彼の間を吹き抜ける。
私の喉元には、
小さな星が、輝いている。
キラキラ、輝いている。
