―続―きゅんきゅん同盟



私と陸の会話を盗み聞きしていた2人が、勢い良く水をかけてきた。




「ばかか!!お前ら!」



「まこたんも陸の前じゃ別人じゃん。教室で城山に切れたまこたんとは大違い!!」




レナの発した『城山』って響きに、私の記憶がよみがえる。



切れたね、確かに。



でもあの時、自分の目指す方向が見えた気がしたんだ。


私はこういうことが許せないんだってわかった。


そして、自分の目標が見えた気がした。



城山先生が、私にひどい点数をつけていたら単位も危うかったんだけどね。




生徒をバカにして、生徒のコンプレックスを指摘して、人前で生徒が嫌がることを言ったり……

とにかく最低な先生だった。



何度も切れたけど、後悔はしていない。



そして、あの時の『私らしさ』をずっと失わずに、教師としてやっていきたい。




そう思えたのは、あのクラスのみんなが、そんな熱すぎる私を受け止めてくれたから。



『俺達はそういう熱い先生を待っていた』


そういう目で私を見てくれたんだよね。





< 17 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop