◆小悪魔素直
2人の気持ち

本当にカップル?~KOUTA

「ちょっと光汰、早くしてよ」


「ちょっ…待てよっ」



つ、疲れた…



彼氏にむかってこんなひどいこといっちゃうのは、

坂下美樹 17歳。

超小悪魔な、俺の彼女。



そんで、彼女の小悪魔っぷりにいつだって付き合ってるのが、

加藤光汰 17歳。

多分(?)美樹の彼氏。



告白したのは俺から。もちろん小悪魔ってことは知らなかった。


最初はただただ、なんでも出来るすげぇやつって思ってた。


でも、俺にはないいろんなものを持ってる美樹に、いつの間にか惹かれてたんだ。




“付き合ってるんだったら一緒に帰るのが当たり前でしょ?”




俺が告白してOKをもらえたその日に言われた一言。
OKもらえただけで飛び上がってる俺に、またまた嬉しいこと言ってくれたんだっ。




でも、いつもとはなんとなく違う口調に違和感を感じていた。


今考えれば、それが小悪魔の見せ初めだったんだな…。




そんなこんなで、今日も一緒に帰ってます。




「あたしを待たせるなんて、いい度胸してるのね。」



スタスタと先に行ってしまった美樹に、冷たく言い放たれてしまった。



「ご、ごめん。俺の担任、話長くってさ…」



いつもよりもっと不機嫌な美樹に、許してくれるわけないのに言い訳をしてみる。



「………」


「………」



…なんで黙る!?



いつもなら、『言い訳なんてしないで』とか『あっそ』とか言うのに!



いつもと少し違う美樹に戸惑って、俺も何も話せない…。





沈黙が続いたまま、美樹の家に着いてしまった。



「じゃあな。美樹…」



「ん。バイバイ。」



―――バタン



そのまま何も言わず、美樹は家に入っていってしまった。




はぁ。


意味もなくため息をついて、俺はとぼとぼ家に帰った。














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