◆小悪魔素直
屋上を出ようとしたとき、今の幸せな時間が心を満たした。





でも。




同時に、すごく不安になった。




今の幸せな時間は、崩れたりしない?

いつまでも続く?





そんな考えが脳裏をかすめた。


そしたら。

口が勝手に動いたんだ。







「ねぇ光汰……ほんとにあたしなんかでいいの?かわいくないし、素直じゃないし、それに」








自分でも正直びっくりだけど。

これも、あたしのほんとの気持ち。




あたしなんかでいいの?







あたしが不安になると、光汰はいつもやさしい表情をむけてくれるよね。







「何言ってんだよ。俺の一番は美樹なの。さっきのもう忘れた?」




ほらね?

光汰は、あたしの心の中のわだかまりを溶かす方法を知ってる。





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