ブラック・デビル
1章・まるで捨て猫みたい



ぼーっとしていた。


ここ、2ヶ月くらいの間、あたしの頭の中はほとんど真っ白だった。


仕事なり、何かしていないとぼんやりすることも多かった。



ふと、ズボンのポケットから携帯を取り出して、メールが来ていないか確認する。


“新着メールはありません”


問い合わせまでしたけれど、来ているはずのメールが来てなくて、ガッカリした。


『今日はー…何処に泊まろうかなー…』


約束をドタキャンされて、あたしは待ち合わせ場所のレンタルビデオ店の前で座り込んでしまった。


午前1時半、あたしの命を繋ぐ人間が現れるはずだったのに…


落ち込んだ。


これから、朝まで何をしようかなって思って、また気分が落ちた。



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