【中編】彼女の嘘
「明日、出張だから。」


私は、両親と彼氏と弟の前で嘘をついた。


もう、逃げたくてたまらなかった。


彼氏は、親公認で仲がいい。


だから、こんな風に夕飯を一緒にすることは多い。


「遼?いつ決まったんだ?」


疾風は、驚いたように聞いてきた。


昨日までそんな話なんてなかったから。


出張なんて、嘘。


もう、退職してる。


バレないように綿密に打ち合わせをしてやっと決行。


私は、たくさんの愛情をくれる彼を裏切る。


「急に、決まったの。2、3日の予定だから。」


私は、気づかれないように普段通り。


「遼。そんな仕事はいいから結婚したらどうだ?」


お父さんは、私と疾風との結婚をスゴく望んでいる。


高校の時からつき合っている。


私は、23歳だから....


7年。


長いな。


ごめんね。


裏切る娘を許してください。


「まだ、やりたいこともやってないんだから、嫌よ。」


いつも通り。


何もかもいつも通りに進んでく。


一瞬も気を抜けない。


「明日の用意があるから。」


私は、タイミングよく食事を終わらせ席をたった。
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