【中編】彼女の嘘
思ってた。


けど....


運命って、なんで残酷なんだろう。


俺は、事実を知ったとき目の前が真っ暗になった。


俺の彼女は、病気だったんだ。


それは、彼女が知らない間に体が蝕まれていた。


それなりの変調があった。


けど、ひどいものじゃないし。


病院に行くまでの症状じゃなかった。


だから、遅かった。


気づいたときには、もう、手遅れで。


俺は、最期の時まで彼女のそばから離れなかった。


少しでも、俺といて幸せだったと思って欲しいから。


この後、俺がどうなるとか考えていなかった。


それに、彼女がいなくなるってわかってたのに。


なのに....


いざいなくなると、心の中が空っぽになった。


空虚。


俺より彼女が辛かったのに。


だから、俺は泣けなかった。


それに、泣いたら、事実だって認めなきゃいけないから。
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