【中編】彼女の嘘
私よりもいい人がいるんじゃないかって。


ここに来てもそう思う日々。


他の人から見たら、バカバカしい事かもしれない。


けど、私にしたら大切なことで。


何が答えかなんてでなくて。


もうどうしたらいいかわからなくて。


今の幸せは、彼方がそばにいてくれること。


一人でいたら、もっと悶々としてて。


彼方は、事情を知ってるから。


やっぱ、お兄ちゃんみたいな感じ。


弟しかいないから、なんか変な感じだけど。


相談できる人がいるのは、ありがたい。


今日は、彼方のために料理しよう。


たまにこう思うことができるようになった。


すべてが悪い方向に向かっているわけじゃないってわかる。


ただ、疾風だけを見てた自分には、それなりにいい機会なのだ。


それより、今日は、オムライス。


彼方が私の料理の中で一番好きなんだ。


私は、歌を歌いながら料理をした。


なんか気分がいいんだよね。
< 48 / 82 >

この作品をシェア

pagetop