眠れぬ森
8章 タクミ
タクミはほとんどを海外で過ごす。

だから、一月に一緒に過ごせるのは1週間あるかないか。

その1週間は、とてもきちんと私を愛してくれるタクミ。

今までも、帰国するたびに私に素敵なお土産を忘れなかったし、ねぎらいの言葉や温かい言葉を何度も口にしてくれる。

例え、毎日会えなくても、その時間を忘れさせてくれるほどにきちんと。

だから、タクミと付き合ってから、自分が不幸だんなんて思ったことはなかった。

このまま、タクミという人は、私を愛し続けてくれるんだろうっていう確信もあった。

そういう相手って、なかなか見つからないものじゃない?


ハルキが言うように、ドキドキしない相手だったけど、こんなに穏やかな生活が送れるなんてタクミ以外考えられなかったわけだし。

そういう相手と結婚をするのは間違ってる?


一人の夜が長く続くのは、確かに辛いときもあるけど。



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