みどりちゃんの初恋

 コートに入ったあたしはメンバーとハイタッチ。円陣は初戦で使用済み。

 第二回戦の相手は二年生。ここに勝てば準決勝が決まる。

 ブーッと審判のバスケ部が鳴らすブザーでオレンジ色のボールが高く上がった。

 ボールは相手チーム。綺麗なパスが回り、あたしより10センチは背の高いお団子ヘアの子がレイアップシュートを決めた。

 それからあたし達三年もシュートを決め、追い越せ追い付けの白熱した試合が繰り広げられる。

 なんとかあたし達が二点リードで迎えた残り三分。

 再び一番初めにシュートを決めたお団子の女の子にパスがいった。

 たぶんその子はサトミっていうみたい。二年生チームの子がそう呼んでたから。

 急いでその子の前に回り込みディフェンス。

 バウンドを繰り返しあたしの様子を伺う。数回バウンドしたながらギッとあたしを睨ん――えっ?!

 に、に、睨まれてるっ!!!!!!

「あんたには絶対負けないんだから」

 そう言って右に重心を傾けたのを見抜いたあたしは左に来ると読んで手に触れたボールを右に引っ張った。

 ――やった! ちっちゃいからってナメちゃいけないんだからっ!!!!

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