夏の青 ・



ほとんどの人間は、与えられた時間が多すぎて暇を持て余している。気がする。


平等に死に向かうだけなら勉強も呼吸も意味がないと、たまに思ってしまう。

でもそれは漠然とした見解であり、だからといって勉強も呼吸もしないわけではない。


死にたいと思っても呼吸は続く
手首を切っても私は生きる
息の根が止まる最期の最後まで、
心臓は動いているのだ


どうせ何年も生きれるなら笑って生きていたい。
ぼんやりと日々を送ったり、捨てきれない希望を明日に抱えたり、いろいろ。


でもきっと、私たちも、生を受けて僅か1週間しか生きられないのなら、蝉のように泣くことしか出来ないのかもしれない。
いくら幸せを知らずに生まれてきても。


そうだ、なにも分からずこの世に産まれたとき、わたしは泣いていた。

涙がでないのは蝉と一緒だ。

きっと悲しくなんてなかった

生きてるよって言いたかっただけ、だからかもしれない。









「……なに黙ってんの?」


『妄想と、考え事。』






end.
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